外出自粛でも快適に! シンプルインテリア専門のインテリアデザイナーが教える、すっきり心地よい在宅勤務テレワークオフィスの作り方。 STEP1家族それぞれの居場所を考える
コロナの影響で一時的とは言え、
働き方が大きく変わってしまいました。
多くの方が在宅勤務を余儀なくされ、
どうにか工夫をしながらお仕事をされているかと思います。
今回からステップを重ねながら
具体的に心地よく在宅勤務を行うための
Simple&Style流インテリアテクニックを
ご紹介していきます。
STEP1:家族それぞれの居場所を考える
最初のステップは ”家族のそれぞれの居場所を考える” です。
一人暮らしの方や、
実家暮らしで自分の部屋を持っている人にとっては、
空間的な視点で見れば、
在宅勤務はそれほど難しいことではありません。
他の誰かに邪魔されることなく
自分のペースで仕事を進められますし、
少なくとも独占して過ごせる場所があるからです。
在宅勤務が難しいのは、
すでに家族で生活をしている人ではないでしょうか。
在宅ワークを実際にやってみて、
今まさに、その難しさや不自由さを痛感しているかも知れません。
「家族全員がプライベートを確保できる個室を持っている」
なんて恵まれた住環境は稀です。
日本の一般的な住環境では
子ども部屋は確保できたとしても、
書斎のある住まいは、そうはお目にかかれません。
しかもコロナの影響で、
パートナーも我が子も家にずっと一緒にいるわけです。
そんな状況で、自分の仕事場所の確保と
集中できる環境を作らなければいけない訳ですから
知恵と工夫が必要になってきます。
ちょっとここで、
あなたの家族の視点で在宅ワークを考えてみましょう。
あなたが在宅ワークの場所を確保するということは、
これまで誰かが自由に使ってきた
大好きな居場所をあなたに奪われるかもしれないということです。
在宅で仕事をすることの大変さはあなただけではないのです。
あなた以外の他の家族の理解や犠牲があって、
在宅ワークが成り立つということをまず理解しましょう。
だからこそ在宅ワークで最も大切なのは
”家族の誰もが犠牲を感じないこと” です。
皆の個室が無い以上は、
「誰も犠牲にしない」というのは、不可能な話です。
だからこそ少なくとも、
家族のみんなが ”犠牲を感じない” ことが大切。
そのためにも、あなたが仕事をしている間に
他の家族が快適に過ごせる場所を確保することを
心がけなくてはいけません。
これはあくまでもゾーニングのお話です。
各々が一人でいられるゾーンを作ってあげるということです。
では具体的に ”家族それぞれの居場所” を考えてみます。
私たちの住環境は千差万別です。
お部屋の間取り、住まいの広さはもちろん違いますし、
置いてあるインテリア家具なども違いますし、
家族構成だって違います。
決して同じ状況ではないという事を踏まえた上で
私の方からいくつか在宅ワークの場所と、
家族の居場所を提示してみます。
代表的なのは以下の5ゾーンです。
1,ダイニング
2,リビング
3,和室
4,バルコニー
5,寝室・個室(子供部屋含む)
参考ですが実例写真を紹介しながら解説していきます。
1,ダイニング
ダイニングは在宅ワークにとって最もおすすめな場所です。
わざわざデスクを買う必要もありません。
ダイニングテーブルの上を綺麗に片付けて、
テーブルランプを置けば
あなたのオフィスに早変わりです。
ただし、ダイニングはあなたのパートナーにとっても
最も居心地の良い場所です。
全ての人が当てはまるわけではありませんが、
私の経験上、女性はソファーでくつろぐよりも
ダイニングでくつろぐことが多いです。
もしあなたの在宅ワークで、
毎日ダイニングを占拠されてしまうとなれば
快くは思わないでしょう。
子ども部屋のない住まいの場合は、
ダイニングが勉強場所になっているケースも多々あります。
我が家でもそうです。
我が物顔でダイニングで仕事をされてしまっては、
他の家族にとってはだたの厄介者になりかねません。
しっかり話し合って、週のうちどれくらい
ダイニングを仕事場所として使わせてもらうのが
家族の皆にとって最良なのかを是非話し合ってみてください。
2,リビング
リビングも在宅ワークにはおすすめの場所です。
膝の上にPCを置いてソファーに座って作業するのは
キーボードもディスプレーも位置が低すぎて
あまり現実的ではありませんが、
床に座ってしまえばソファーが良い背もたれになって
意外と快適に作業が出来ます。
ソファーがなくとも、
リビングテーブルと座布団(クッション)があれば
機能的には十分なオフィスになります。
ただ、あぐらをかくなどの
床座スタイルでの作業は姿勢に負担がかかりますので、
毎日何時間も作業するとなると、
さずがに身体への負担にもなりますし
こまめな休憩や数時間で場所を変えるなどの
工夫が必要かもしれません。
あなたがリビングで作業をしている間は
他の家族は心置きなくダイニングで過ごすことが可能になりますから、
家族でローテーションしながら場所を替えてくのもおすすめです。
3,和室
和室も在宅ワークにはおすすめな場所です。
すでにこたつやちゃぶ台があれば
すぐにでも作業は可能です。
座椅子があれば身体への負担も軽くなります。
テーブルが無いようであれば、
リビングテーブルを代用したり、
場合によってはコストの安いリビングテーブルを
購入するのもおすすめです。
あぐらや足を伸ばせる形が良いので、
おすすめは「コの字型」のテーブルです。
4,バルコニー
意外かもしれませんが、
マンションの場合はバルコニーも立派な在宅ワーク環境となりえます。
最近ではマンションでも広めのバルコニーが増えてきました。
在宅勤務でしょっちゅう電話をする・テレビ会議をするなど、
ご近所への騒音が少ない方限定になるかも知れませんが、
バルコニーにカフェテーブルとチェアさえあれば
立派なオフィスになります。
極端な例ですが、
我が家では ”洗濯物をバルコニーで干す” という
生活スタイルを無くしています。
洗濯物はヒートポンプ式のドラム洗濯機で乾燥させていますから、
物干しなど生活感が出てしまうアイテムはありません。
バルコニーは気持ちの良いお庭として活用しているため
気候の良い季節はバルコニーで食事もします。
これまでたくさんのクライアント様にも、
バルコニーをお庭にする提案をしてきました。
これからの季節は蚊や日除けの工夫は必要かもしれませんが、
少し広めのバルコニーやお庭があれば、
簡単なテーブルとチェアで立派なオフィスになります。
バルコニーとはいえ屋外ですから、
カフェテーブルやチェアはFRPやプラスチック製がおすすめです。
出し入れ可能で場所を取らないものや、
リビングでも活用できるようなものを探すのがポイントです。
風の強い高層フロアでは、飛ばされてしまう可能性もゼロではありません。
高層フロアの方は充分に気をつけてください。
またキャンプなどに行かれる方は
サイズさえOKであればキャンプ用のテーブルやチェアも
活用できます。
5,寝室・個室(子供部屋)
夫婦の主寝室を在宅ワークの場合に活用する場合は、
奥行き40㎝程度のPCデスクをおけるスペースがあれば活用可能です。
ただ、主寝室にはベッド以外にワードローブや、
引き出し収納・ドレッサーなどを置いているケースも多く、
机を置くスペースなんて無い!というお住いも多いと思います。
そうなるとベッドの上で作業をするということになりますが、
ベッドの上で集中して仕事をするのは正直難しいです。
あなたがダイニングやリビングで在宅ワークをしている間に
パートナーや我が子がのんびり過ごす場所として
活用してもらうのが無難ではないでしょうか。
子ども部屋の場合も同じこと。
子供部屋がある家庭の場合は、
あなたが在宅ワークをしている間は
子どもたちには、なるべく子供部屋で勉強をしてもらえるように
お願いするのが無難ですが、
それも年齢や個性によってかなわないことも多いと思います。
そんなときは、子どもにはダイニングで勉強してもらい、
子供部屋をオフィス化してしまうのも良いでしょう。
ただし最初にお伝えしたように、
あなたがいつも同じ場所を独占しないよう
心がけましょうね。
さて、ざっとご紹介してきましたが、
その他にも納戸としているお部屋にデスクを置いたり
まだまだ活用できる場所があるかもしれません。
家族それぞれが常にどこかの場所を
心置きなく使えるようにするのが理想ですが、
大家族の場合は家族の皆がそれぞれの場所を確保することは
物理的にも難しいですね。
家庭環境は人それぞれですから
あなたの家族にとってベストな選択肢を
工夫して考えてみましょう。
多くの候補があればあるほど、
日によって気分転換も出来ますし、
あなたが作業をしている間
他の場所で家族がくつろいだり、
思い思いの作業が可能になります。
お家の中のいくつかのゾーンに分けて、
まずは作業場所の候補を見つけること。
それと同時に家族の場所を確保することを心がけ
自分の家の場合はどこを活用できるのか
目星を付けておきましょう。
地図さえ出来てしまえば
いよいよ次回からは心地よい空間づくりの作業開始です。
次回STEP2は ”お部屋からノイズを無くしていく” です。